はじめに:不動産登記法って何?
🧑💼 田中さん(宅建受験生):「宅建試験の勉強を始めたんですが、不動産登記法ってどんな科目なんですか?」
👩🏫 佐藤先生(宅建講師):「こんにちは田中さん!不動産登記法は、宅建試験で毎年1〜2問出題される重要科目です。不動産の権利を『見える化』する制度について学ぶ分野ですよ。」
🧑💼 田中さん:「『見える化』ですか?」
👩🏫 佐藤先生:「そうです!『この土地は誰のものか』『どんな権利がついているか』を公的に記録して、みんなが確認できるようにする制度なんです。今日は基礎から実践まで、しっかり教えますね!」
宅建試験での出題傾向
| 年度 | 出題数 | 主な出題内容 | 
|---|---|---|
| 2024年 | 1問 | 登記の効力・対抗要件 | 
| 2023年 | 2問 | 申請手続き・登記簿の構造 | 
| 2022年 | 1問 | 仮登記の効力 | 
| 2021年 | 2問 | 共同申請・登記識別情報 | 
1. 不動産登記制度の基本のキホン
1-1. そもそも登記って何のため?
👩🏫 佐藤先生:「まず、なぜ登記制度があるのか考えてみましょう。田中さん、もし土地を買ったとして、『これは私の土地です』って他人に証明するにはどうしますか?」
🧑💼 田中さん:「うーん…契約書を見せる?」
👩🏫 佐藤先生:「いい考えですね!でも契約書だけだと、その土地を他の人にも売っているかもしれませんよね。そこで登記の出番です!」
1-1-1. 登記制度の目的図
graph TD
    A[不動産登記制度] --> B[権利関係の公示]
    A --> C[取引の安全確保]
    A --> D[紛争の予防]
    B --> E[第三者への対抗力]
    C --> F[安心な不動産取引]
    D --> G[明確な権利関係]
1-2. 日本の登記制度の特徴
🧑💼 田中さん:「登記をすれば絶対に安全なんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「それは重要な質問ですね!実は日本の登記制度には特徴があるんです。」
1-2-1. 世界の登記制度比較表
| 制度の種類 | 採用国 | 特徴 | 日本の状況 | 
|---|---|---|---|
| 公信の原則 | ドイツ、オーストラリア等 | 登記を信じて取引した人は保護される | ❌ 採用していない | 
| 対抗要件主義 | 日本、フランス等 | 登記は第三者への対抗要件 | ✅ 採用している | 
⚠️ 超重要ポイント:「日本は公信の原則を採用していない」これは試験で頻出です!
1-2-2. 対抗要件主義の仕組み図
【対抗要件主義の例】
A君 ────売買契約────→ B君
 │                    │
 └─── 同じ土地を ──────┘
      (詐欺的に)
          │
          ▼
        C君 (善意の第三者)
結果:登記を先にした人が勝つ!
👩🏫 佐藤先生:「つまり、A君がB君とC君の両方に土地を売った場合、先に登記をした方が勝つんです。これが対抗要件主義の基本ですね。」
2. 登記簿の構造を完全マスター
2-1. 登記簿は3階建ての建物
🧑💼 田中さん:「登記簿ってどんな構造になってるんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「登記簿は3階建ての建物みたいに考えると覚えやすいですよ!」
2-1-1. 登記簿の3階建て構造図
🏢 登記簿マンション
┌─────────────────────────────┐
│        3階:権利部乙区        │ ← 抵当権、地上権など
│      (所有権以外の権利)       │   所有権以外の権利
├─────────────────────────────┤
│        2階:権利部甲区        │ ← 所有権に関する
│       (所有権の権利)         │   すべての事項
├─────────────────────────────┤
│         1階:表題部          │ ← 土地・建物の
│      (物理的な基本情報)       │   基本的な情報
└─────────────────────────────┘
2-2. 各階の詳細な内容
2-2-1. 1階:表題部の記載内容
👩🏫 佐藤先生:「1階の表題部には、不動産の『身分証明書』みたいな情報が書かれています。」
| 不動産の種類 | 記載される内容 | 具体例 | 
|---|---|---|
| 土地 | 所在・地番・地目・地積 | 東京都新宿区○○町1番2<br/>地目:宅地<br/>地積:100.25㎡ | 
| 建物 | 所在・家屋番号・種類・構造・床面積 | 木造瓦葺2階建<br/>居宅<br/>1階 50.00㎡<br/>2階 40.00㎡ | 
2-2-2. 2階:権利部甲区の記載内容
🧑💼 田中さん:「甲区には何が書かれるんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「甲区は『誰の物か』を示すエリアです。所有権に関することはすべてここに書かれます。」
甲区の記載例:
順位番号│登記の目的    │受付年月日   │権利者その他の事項
   1   │所有権保存    │令和2.3.15  │所有者 田中太郎
   2   │所有権移転    │令和4.8.10  │原因:令和4年8月8日売買
       │              │            │所有者 佐藤花子
2-2-3. 3階:権利部乙区の記載内容
👩🏫 佐藤先生:「3階の乙区には、所有権以外の権利が記載されます。住宅ローンの抵当権なんかがここに書かれるんです。」
乙区の記載例:
順位番号│登記の目的         │受付年月日   │権利者その他の事項
   1   │抵当権設定        │令和4.8.10  │原因:令和4年8月8日金銭消費貸借
       │                  │            │債権額:金3000万円
       │                  │            │抵当権者:○○銀行株式会社
2-3. 登記簿に関する特別な仕組み
2-3-1. 共同担保目録とは?
🧑💼 田中さん:「共同担保目録って何ですか?」
👩🏫 佐藤先生:「1つの借金に対して複数の不動産を担保にする場合の記録ですね。例を見てみましょう。」
共同担保の仕組み図:
graph TD
    A[住宅ローン 5000万円] --> B[土地]
    A --> C[建物]
    A --> D[別荘の土地]
    B --> E[共同担保目録に記載]
    C --> E
    D --> E
2-3-2. 試験に出る特別な目録一覧
| 目録の種類 | 用途 | 試験での重要度 | 
|---|---|---|
| 共同担保目録 | 複数不動産への担保権 | ★★★★★ | 
| 信託目録 | 信託財産の記載 | ★★★☆☆ | 
| 使用目録 | 土地の使用関係 | ★★☆☆☆ | 
3. 登記申請の手続きを徹底解説
3-1. 申請の基本ルール「みんなで出すか、一人で出すか」
👩🏫 佐藤先生:「登記の申請には2つのパターンがあります。『共同申請』と『単独申請』です。」
🧑💼 田中さん:「どう違うんですか?」
3-1-1. 申請方法の分類フローチャート
flowchart TD
    A[登記申請をしたい] --> B{権利が動く?}
    B -->|Yes| C[共同申請]
    B -->|No| D[単独申請]
    C --> E[売買・贈与・抵当権設定など]
    D --> F[相続・表示登記・保存登記など]
3-1-2. 申請方法の詳細比較表
| 申請方法 | 対象となる登記 | 申請人 | 理由 | 
|---|---|---|---|
| 共同申請 | 所有権移転(売買)<br/>抵当権設定<br/>地上権設定 | 権利者+義務者<br/>(買主+売主など) | 権利の得喪変更があるため | 
| 単独申請 | 相続による所有権移転<br/>所有権保存登記<br/>表示登記 | 権利者のみ | 権利の得喪変更がないため | 
👩🏫 佐藤先生:「覚え方のコツは『権利が動く時は関係者みんなで、動かない時は一人で』です!」
3-2. 申請書に書くべき5つのポイント
🧑💼 田中さん:「申請書にはどんなことを書くんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「申請書の記載事項は5つあります。順番に見ていきましょう!」
3-2-1. 申請書の記載事項チェックリスト
| 順番 | 記載事項 | 内容 | 記載例 | 
|---|---|---|---|
| ① | 登記の目的 | 何の登記をするか | 所有権移転 | 
| ② | 登記原因 | なぜ登記するか | 令和6年3月15日売買 | 
| ③ | 当事者 | 誰が申請するか | 権利者 田中太郎<br/>義務者 佐藤花子 | 
| ④ | 不動産の表示 | どの不動産か | 所在:東京都新宿区…(登記簿の通り) | 
| ⑤ | 課税価格 | 税金の計算基礎 | 金2,500万円 | 
3-2-2. 申請書のサンプル
登記申請書
登記の目的    所有権移転
登記原因    令和6年3月15日売買
権利者      東京都新宿区○○町1-2-3
           田中太郎
義務者      東京都渋谷区△△丁目4-5-6  
           佐藤花子
添付書類    登記原因証明情報 登記識別情報
           印鑑登録証明書 住民票
課税価格    金25,000,000円
登録免許税  金500,000円
令和6年3月20日申請  東京法務局新宿出張所
上記申請人 田中太郎 ㊞
         佐藤花子 ㊞
3-3. 必要書類「添付書面」の完全リスト
👩🏫 佐藤先生:「申請書だけでは登記できません。証明書類も必要なんです。」
3-3-1. 添付書面の種類と役割
graph TD
    A[登記申請] --> B[申請書]
    A --> C[添付書面]
    C --> D[登記原因証明情報]
    C --> E[登記識別情報]
    C --> F[印鑑登録証明書]
    C --> G[住民票]
    C --> H[委任状]
    D --> I[売買契約書など]
    E --> J[権利証・パスワード]
    F --> K[実印の証明]
    G --> L[住所の証明]
    H --> M[代理人への委任]
3-3-2. 添付書面詳細一覧表
| 書類名 | 目的 | 有効期限 | 取得場所 | 注意点 | 
|---|---|---|---|---|
| 登記原因証明情報 | 登記原因の証明 | なし | 契約当事者 | 売買契約書・贈与契約書等 | 
| 登記識別情報 | 権利者証明 | なし | 前回登記時に取得 | 紛失時は本人確認情報で代替可 | 
| 印鑑登録証明書 | 本人確認 | 3か月以内 | 市区町村役場 | 義務者(売主等)が必要 | 
| 住民票の写し | 住所証明 | なし | 市区町村役場 | 権利者(買主等)が必要 | 
💡 重要ポイント:印鑑登録証明書の有効期限は「作成から3か月以内」です!
3-4. 登記識別情報 vs 登記済証(権利証)
🧑💼 田中さん:「登記識別情報と権利証って違うんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「はい!時代とともに変わったんです。詳しく説明しますね。」
3-4-1. 新旧制度の比較表
| 項目 | 登記識別情報(現在) | 登記済証(従来) | 
|---|---|---|
| 開始時期 | 平成17年以降 | 〜平成16年 | 
| 形式 | 12桁の英数字 | 書面に朱印 | 
| 見た目 | 目隠しシール付き | 登記済の朱印 | 
| 管理 | パスワード管理 | 書面の物理管理 | 
| 紛失対応 | 失効申請可能 | 本人確認情報で対応 | 
| 偽造リスク | 低い | 高い | 
3-4-2. 登記識別情報の構造図
┌─────────────────────────┐
│     登記識別情報通知      │
├─────────────────────────┤
│ 不動産番号: 1234567890123 │
│ 受付年月日: R6.3.20      │
│ 受付番号: 第1234号       │
├─────────────────────────┤
│ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ │
│ ┃ QR12M8XN9KLP ┃ │ ← 12桁の英数字
│ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │
└─────────────────────────┘
4. 登記の種類をパーフェクトに理解
4-1. 登記の大分類:表示登記 vs 権利登記
👩🏫 佐藤先生:「登記は大きく2つに分類されます。『表示登記』と『権利登記』です。」
4-1-1. 登記の分類ツリー
graph TD
    A[不動産登記] --> B[表示登記]
    A --> C[権利登記]
    B --> D[土地表示登記]
    B --> E[建物表示登記]
    C --> F[所有権登記]
    C --> G[用益物権登記]
    C --> H[担保物権登記]
    D --> I[分筆・合筆・地目変更]
    E --> J[表題・変更・滅失]
    F --> K[保存・移転・仮登記]
    G --> L[地上権・賃借権]
    H --> M[抵当権・質権]
4-1-2. 表示登記 vs 権利登記 完全比較
| 比較項目 | 表示登記 | 権利登記 | 
|---|---|---|
| 目的 | 物理的状況の公示 | 権利関係の公示 | 
| 申請義務 | ✅ あり(1か月以内) | ❌ なし | 
| 罰則 | 10万円以下の過料 | なし | 
| 申請方法 | 単独申請 | 共同申請が原則 | 
| 担当資格者 | 土地家屋調査士 | 司法書士 | 
| 登録免許税 | なし(測量費用等のみ) | あり | 
⚠️ 試験頻出:「表示登記には申請義務がある」「権利登記に申請義務はない」
4-2. 表示登記の詳細解説
4-2-1. 土地表示登記の種類
🧑💼 田中さん:「土地の表示登記にはどんな種類があるんですか?」
| 登記の種類 | 内容 | 具体例 | 
|---|---|---|
| 土地表題登記 | 新たに生じた土地の登記 | 海面埋立、河川変更 | 
| 分筆登記 | 1つの土地を複数に分割 | 土地の一部売買 | 
| 合筆登記 | 複数の土地を1つに統合 | 隣接土地の統合 | 
| 地目変更登記 | 土地の用途変更 | 田→宅地、雑種地→駐車場 | 
| 地積更正登記 | 面積の訂正 | 実測と登記面積の相違 | 
4-2-2. 建物表示登記の種類
| 登記の種類 | 内容 | 申請期限 | 
|---|---|---|
| 建物表題登記 | 新築建物の最初の登記 | 新築から1か月以内 | 
| 建物表題変更登記 | 増築・改築・用途変更 | 変更から1か月以内 | 
| 建物滅失登記 | 建物の取り壊し | 取り壊しから1か月以内 | 
💡 覚え方のコツ:建物の表示登記は全て「1か月以内」の申請義務があります!
4-3. 権利登記の詳細解説
4-3-1. 所有権登記の流れ図
graph TD
    A[土地・建物の存在] --> B[表示登記]
    B --> C[所有権保存登記]
    C --> D[所有権移転登記]
    D --> E[売買・贈与・相続等]
    
    F[新築建物] --> G[建物表題登記]
    G --> H[所有権保存登記]
    H --> I[住宅ローン]
    I --> J[抵当権設定登記]
4-3-2. 主要な権利登記一覧
| 登記の種類 | 登記原因 | 申請人 | 登録免許税率 | 
|---|---|---|---|
| 所有権保存 | 新築・相続等 | 所有者 | 0.4% | 
| 所有権移転(売買) | 売買 | 売主・買主 | 2.0% | 
| 所有権移転(相続) | 相続 | 相続人 | 0.4% | 
| 抵当権設定 | 金銭消費貸借 | 債務者・債権者 | 0.4% | 
5. 仮登記制度を完全攻略
5-1. 仮登記って何?本登記との違い
🧑💼 田中さん:「仮登記って『仮』がつくから効力が弱いんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「いい質問ですね!仮登記は『順位保全』という特別な効力があるんです。」
5-1-1. 仮登記の仕組み図
【仮登記の順位保全効】
令和6年3月1日:A→B 仮登記 (順位1番)
令和6年4月1日:A→C 本登記 (順位2番)
令和6年5月1日:B 本登記 (順位1番に繰り上がり!)
結果:後から本登記したBが1番の順位を獲得
5-1-2. 仮登記 vs 本登記 比較表
| 項目 | 仮登記 | 本登記 | 
|---|---|---|
| 対抗力 | ❌ なし | ✅ あり | 
| 順位保全効 | ✅ あり | ✅ あり | 
| 申請要件 | 緩やか | 厳格 | 
| 登記識別情報 | 通知されない | 通知される | 
| 登記原因証明情報 | 予約完結権等 | 契約書等 | 
⚠️ 試験重要ポイント:「仮登記に対抗力はない」が「順位保全効はある」
5-2. 仮登記の種類と活用場面
5-2-1. 仮登記の種類
| 仮登記の種類 | 内容 | 活用場面 | 
|---|---|---|
| 1号仮登記 | 請求権保全の仮登記 | 売買予約、買戻特約 | 
| 2号仮登記 | 順位保全の仮登記 | 書類不備時の順位確保 | 
6. 登記官の権限と手続きの流れ
6-1. 登記官は何をチェックする?
👩🏫 佐藤先生:「登記官の審査には限界があるんです。何でもチェックしてくれるわけではありません。」
6-1-1. 登記官の審査権限図
graph TD
    A[登記申請書] --> B{登記官の審査}
    B --> C[形式的審査]
    B --> D[実質的審査]
    C --> E[申請書の記載事項]
    C --> F[添付書面の有無]
    C --> G[印鑑証明書の有効期限]
    D --> H[登記原因の真実性]
    D --> I[当事者の真意]
    E --> J[✅ 審査する]
    F --> J
    G --> J
    H --> K[❌ 原則審査しない]
    I --> K
6-1-2. 審査内容の詳細比較
| 審査の種類 | 審査内容 | 審査の程度 | 具体例 | 
|---|---|---|---|
| 形式的審査 | 書面の記載・体裁 | 厳格 | ・申請書の記載漏れ<br/>・印鑑証明書の期限切れ<br/>・登記識別情報の相違 | 
| 実質的審査 | 登記原因の真実性 | 限定的 | ・売買契約が実際に成立したか<br/>・売買代金の授受があったか | 
6-2. 申請後の手続きフロー
6-2-1. 登記手続きの流れチャート
flowchart TD
    A[登記申請] --> B{形式審査}
    B -->|OK| C[受理]
    B -->|NG| D[補正指令]
    B -->|重大な不備| E[却下]
    D --> F{補正可能?}
    F -->|Yes| G[補正]
    F -->|No| H[取下げ]
    G --> I[再審査]
    I --> C
    C --> J[登記完了]
    J --> K[登記識別情報通知]
6-2-2. 補正・却下・取下げの違い
| 手続き | 主体 | 理由 | 効果 | 対応方法 | 
|---|---|---|---|---|
| 補正 | 登記官 | 軽微な不備 | 修正により有効 | 期限内に修正提出 | 
| 却下 | 登記官 | 重大な不備 | 申請が無効 | 新たに申請し直し | 
| 取下げ | 申請人 | 自己都合 | 申請の撤回 | 登記完了前なら可能 | 
7. 特殊な登記制度
7-1. 区分所有建物(マンション)の登記
🧑💼 田中さん:「マンションの登記は普通の建物と違うんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「はい!マンションのような区分所有建物には特別な登記制度があります。」
7-1-1. 区分所有建物の登記構造
graph TD
    A[区分所有建物] --> B[一棟の建物]
    A --> C[各区分建物]
    A --> D[敷地]
    B --> E[一棟の建物の表題登記]
    C --> F[区分建物の表題登記]
    C --> G[専有部分の権利登記]
    D --> H[敷地権の登記]
7-1-2. 区分所有登記の種類
| 登記の種類 | 内容 | 登記簿 | 
|---|---|---|
| 一棟の建物の表題登記 | 建物全体の基本情報 | 一棟の建物の登記簿 | 
| 区分建物の表題登記 | 各部屋の基本情報 | 各区分建物の登記簿 | 
| 敷地権の登記 | 土地への権利 | 土地の登記簿 | 
7-2. その他の特殊登記
7-2-1. 特殊登記一覧表
| 登記の種類 | 根拠法 | 特徴 | 
|---|---|---|
| 工場財団 | 工場抵当法 | 工場の機械等を一体として担保 | 
| 企業担保権 | 企業担保法 | 企業の総財産を担保 | 
| 立木登記 | 立木に関する法律 | 立木を土地と分離して登記 | 
8. 実戦的な試験対策
8-1. 出題パターン完全分析
👩🏫 佐藤先生:「過去5年間の出題傾向を分析しました。どんなパターンで出題されるか見てみましょう!」
8-1-1. 出題頻度ランキング
| 順位 | 出題テーマ | 出題回数 | 重要度 | 
|---|---|---|---|
| 1位 | 登記の効力(対抗要件主義) | 8回 | ★★★★★ | 
| 2位 | 共同申請・単独申請 | 6回 | ★★★★☆ | 
| 3位 | 仮登記の効力 | 4回 | ★★★☆☆ | 
| 4位 | 登記識別情報 | 3回 | ★★★☆☆ | 
| 5位 | 表示登記の申請義務 | 2回 | ★★☆☆☆ | 
8-1-2. 問題パターン分析
pie title 宅建試験 不動産登記法 出題パターン
    "正誤判定問題" : 60
    "組み合わせ問題" : 25
    "数値問題" : 10
    "事例問題" : 5
8-2. 間違えやすいポイント TOP10
🧑💼 田中さん:「どんなところで間違えやすいんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「受験生がよく間違えるポイントをランキングで紹介しますね!」
8-2-1. 間違えやすいポイント一覧
| 順位 | 間違えやすいポイント | 正しい知識 | 引っかけパターン | 
|---|---|---|---|
| 1位 | 公信の原則 | 日本は採用していない | 「登記には公信力がある」❌ | 
| 2位 | 仮登記の対抗力 | 対抗力はない | 「仮登記にも対抗力がある」❌ | 
| 3位 | 表示登記の申請義務 | 1か月以内の申請義務あり | 「申請義務はない」❌ | 
| 4位 | 共同申請の例外 | 相続は単独申請 | 「相続も共同申請」❌ | 
| 5位 | 印鑑証明書の有効期限 | 3か月以内 | 「6か月以内」❌ | 
8-3. 語呂合わせ記憶術
8-3-1. 重要事項の語呂合わせ
| 覚える内容 | 語呂合わせ | 
|---|---|
| 表示登記の申請義務(1か月) | 「表示は一発(1)月(月)で申請だ!」 | 
| 印鑑証明書の有効期限(3か月) | 「印鑑は3か月、3回確認」 | 
| 登記識別情報(12桁) | 「登記の秘密は12(いち・に)ケタ」 | 
9. 過去問演習と解法テクニック
9-1. 典型的な過去問パターン
👩🏫 佐藤先生:「実際の過去問を使って、解法テクニックを身につけましょう!」
9-1-1. 問題例と解法
【例題1】不動産登記の効力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
🧑💼 田中さん:「これはどう解けばいいんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「まず『公信の原則』や『対抗要件』がキーワードの選択肢を見つけることです!」
9-1-2. 解法テクニック
| ステップ | 内容 | 具体的方法 | 
|---|---|---|
| Step1 | キーワード発見 | 「公信」「対抗要件」「第三者」を探す | 
| Step2 | 基本原則確認 | 日本は対抗要件主義・公信の原則なし | 
| Step3 | 例外の確認 | 相続の単独申請などの例外をチェック | 
| Step4 | 消去法適用 | 明らかに間違いの選択肢を除外 | 
9-2. 直前対策チェックリスト
9-2-1. 試験1週間前にすべきこと
gantt
    title 直前対策スケジュール
    dateFormat  X
    axisFormat %d日前
    section 基本知識
    対抗要件主義の確認     :done, basic1, 0, 1
    登記簿構造の復習       :done, basic2, 1, 2
    申請手続きの整理       :done, basic3, 2, 3
    section 過去問演習
    過去5年分を3周         :active, past1, 3, 6
    間違いノート作成       :past2, 5, 6
    section 最終確認
    語呂合わせ暗記         :final1, 6, 7
    当日の準備            :final2, 7, 7
9-2-2. 試験当日の心構え
👩🏫 佐藤先生:「試験当日のコツを教えますね!」
当日のポイント:
- ⏰ 不動産登記法は1〜2問なので、時間をかけすぎない
 - 🔍 「公信の原則」を見つけたら即座に❌判定
 - 📝 迷ったら基本原則(対抗要件主義)に戻る
 - ✅ 見直し時間を必ず確保する
 
10. 合格への最終アドバイス
10-1. 学習の優先順位
🧑💼 田中さん:「限られた時間で効率よく学習するにはどうしたらいいですか?」
👩🏫 佐藤先生:「不動産登記法は範囲が広いので、優先順位をつけて学習することが大切です。」
10-1-1. 学習優先順位マトリックス
quadrantChart
    title 学習優先順位マトリックス
    x-axis 学習難易度(易) --> (難)
    y-axis 出題頻度(低) --> (高)
    quadrant-1 要注意分野
    quadrant-2 最重要分野
    quadrant-3 後回し分野
    quadrant-4 要確認分野
    
    対抗要件主義: [0.2, 0.9]
    共同申請の原則: [0.3, 0.8]
    仮登記の効力: [0.6, 0.6]
    区分所有建物: [0.8, 0.3]
    工場財団: [0.9, 0.1]
10-1-2. 学習時間配分
| 分野 | 学習時間割合 | 理由 | 
|---|---|---|
| 基本原則(対抗要件主義) | 30% | 最頻出・基礎となる | 
| 申請手続き | 25% | 実務的で応用範囲広い | 
| 登記簿の構造 | 20% | 理解すれば得点しやすい | 
| 仮登記・特殊登記 | 15% | 応用問題で差がつく | 
| その他 | 10% | 余力があれば | 
10-2. 最後のメッセージ
👩🏫 佐藤先生:「田中さん、不動産登記法の勉強はいかがでしたか?」
🧑💼 田中さん:「最初は難しそうに思えましたが、体系的に学ぶとよく分かりました!特に対抗要件主義の考え方が理解できてよかったです。」
👩🏫 佐藤先生:「それは良かったです!不動産登記法は、一度理解すれば確実に得点できる科目です。ポイントをまとめますね。」
10-2-1. 合格のための3つの約束
graph TD
    A[宅建試験合格] --> B[約束1: 基本を大切に]
    A --> C[約束2: 過去問中心]
    A --> D[約束3: 諦めずに継続]
    B --> E[対抗要件主義を完全理解]
    C --> F[過去5年分を3周以上]
    D --> G[毎日少しずつでも学習継続]
10-2-2. 最終チェックシート
試験前日に確認すべき項目:
- □ 日本は公信の原則を採用していない
 - □ 対抗要件主義の意味を説明できる
 - □ 登記簿は表題部・甲区・乙区の3層構造
 - □ 共同申請が原則、単独申請の例外を覚えている
 - □ 仮登記に対抗力はないが順位保全効はある
 - □ 表示登記には1か月以内の申請義務がある
 - □ 印鑑証明書の有効期限は3か月以内
 - □ 登記識別情報は12桁の英数字
 
👩🏫 佐藤先生:「この記事で学んだことを基に、過去問演習を重ねれば必ず合格できます。宅建士への道、応援しています!」
🧑💼 田中さん:「ありがとうございました!頑張って合格します!」
📚 参考資料・関連法令
- 不動産登記法
 - 不動産登記規則
 - 不動産登記事務取扱手続準則
 
🎯 この記事のまとめ
不動産登記法は宅建試験で1〜2問出題される重要分野です。対抗要件主義という日本の基本制度を理解し、登記簿の3層構造と申請手続きを覚えることで確実に得点できます。
特に「公信の原則は日本では採用されていない」「仮登記に対抗力はない」「表示登記には申請義務がある」といったポイントは毎年のように出題される超重要事項です。
継続的な学習で、宅建士合格を目指しましょう!
🌟 この記事が皆様の合格の一助となれば幸いです。頑張ってください!

  
  
  
  

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