はじめに:不動産登記法って何?
🧑💼 田中さん(宅建受験生):「宅建試験の勉強を始めたんですが、不動産登記法ってどんな科目なんですか?」
👩🏫 佐藤先生(宅建講師):「こんにちは田中さん!不動産登記法は、宅建試験で毎年1〜2問出題される重要科目です。不動産の権利を『見える化』する制度について学ぶ分野ですよ。」
🧑💼 田中さん:「『見える化』ですか?」
👩🏫 佐藤先生:「そうです!『この土地は誰のものか』『どんな権利がついているか』を公的に記録して、みんなが確認できるようにする制度なんです。今日は基礎から実践まで、しっかり教えますね!」
宅建試験での出題傾向
年度 | 出題数 | 主な出題内容 |
---|---|---|
2024年 | 1問 | 登記の効力・対抗要件 |
2023年 | 2問 | 申請手続き・登記簿の構造 |
2022年 | 1問 | 仮登記の効力 |
2021年 | 2問 | 共同申請・登記識別情報 |
1. 不動産登記制度の基本のキホン
1-1. そもそも登記って何のため?
👩🏫 佐藤先生:「まず、なぜ登記制度があるのか考えてみましょう。田中さん、もし土地を買ったとして、『これは私の土地です』って他人に証明するにはどうしますか?」
🧑💼 田中さん:「うーん…契約書を見せる?」
👩🏫 佐藤先生:「いい考えですね!でも契約書だけだと、その土地を他の人にも売っているかもしれませんよね。そこで登記の出番です!」
1-1-1. 登記制度の目的図
graph TD
A[不動産登記制度] --> B[権利関係の公示]
A --> C[取引の安全確保]
A --> D[紛争の予防]
B --> E[第三者への対抗力]
C --> F[安心な不動産取引]
D --> G[明確な権利関係]
1-2. 日本の登記制度の特徴
🧑💼 田中さん:「登記をすれば絶対に安全なんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「それは重要な質問ですね!実は日本の登記制度には特徴があるんです。」
1-2-1. 世界の登記制度比較表
制度の種類 | 採用国 | 特徴 | 日本の状況 |
---|---|---|---|
公信の原則 | ドイツ、オーストラリア等 | 登記を信じて取引した人は保護される | ❌ 採用していない |
対抗要件主義 | 日本、フランス等 | 登記は第三者への対抗要件 | ✅ 採用している |
⚠️ 超重要ポイント:「日本は公信の原則を採用していない」これは試験で頻出です!
1-2-2. 対抗要件主義の仕組み図
【対抗要件主義の例】
A君 ────売買契約────→ B君
│ │
└─── 同じ土地を ──────┘
(詐欺的に)
│
▼
C君 (善意の第三者)
結果:登記を先にした人が勝つ!
👩🏫 佐藤先生:「つまり、A君がB君とC君の両方に土地を売った場合、先に登記をした方が勝つんです。これが対抗要件主義の基本ですね。」
2. 登記簿の構造を完全マスター
2-1. 登記簿は3階建ての建物
🧑💼 田中さん:「登記簿ってどんな構造になってるんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「登記簿は3階建ての建物みたいに考えると覚えやすいですよ!」
2-1-1. 登記簿の3階建て構造図
🏢 登記簿マンション
┌─────────────────────────────┐
│ 3階:権利部乙区 │ ← 抵当権、地上権など
│ (所有権以外の権利) │ 所有権以外の権利
├─────────────────────────────┤
│ 2階:権利部甲区 │ ← 所有権に関する
│ (所有権の権利) │ すべての事項
├─────────────────────────────┤
│ 1階:表題部 │ ← 土地・建物の
│ (物理的な基本情報) │ 基本的な情報
└─────────────────────────────┘
2-2. 各階の詳細な内容
2-2-1. 1階:表題部の記載内容
👩🏫 佐藤先生:「1階の表題部には、不動産の『身分証明書』みたいな情報が書かれています。」
不動産の種類 | 記載される内容 | 具体例 |
---|---|---|
土地 | 所在・地番・地目・地積 | 東京都新宿区○○町1番2<br/>地目:宅地<br/>地積:100.25㎡ |
建物 | 所在・家屋番号・種類・構造・床面積 | 木造瓦葺2階建<br/>居宅<br/>1階 50.00㎡<br/>2階 40.00㎡ |
2-2-2. 2階:権利部甲区の記載内容
🧑💼 田中さん:「甲区には何が書かれるんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「甲区は『誰の物か』を示すエリアです。所有権に関することはすべてここに書かれます。」
甲区の記載例:
順位番号│登記の目的 │受付年月日 │権利者その他の事項
1 │所有権保存 │令和2.3.15 │所有者 田中太郎
2 │所有権移転 │令和4.8.10 │原因:令和4年8月8日売買
│ │ │所有者 佐藤花子
2-2-3. 3階:権利部乙区の記載内容
👩🏫 佐藤先生:「3階の乙区には、所有権以外の権利が記載されます。住宅ローンの抵当権なんかがここに書かれるんです。」
乙区の記載例:
順位番号│登記の目的 │受付年月日 │権利者その他の事項
1 │抵当権設定 │令和4.8.10 │原因:令和4年8月8日金銭消費貸借
│ │ │債権額:金3000万円
│ │ │抵当権者:○○銀行株式会社
2-3. 登記簿に関する特別な仕組み
2-3-1. 共同担保目録とは?
🧑💼 田中さん:「共同担保目録って何ですか?」
👩🏫 佐藤先生:「1つの借金に対して複数の不動産を担保にする場合の記録ですね。例を見てみましょう。」
共同担保の仕組み図:
graph TD
A[住宅ローン 5000万円] --> B[土地]
A --> C[建物]
A --> D[別荘の土地]
B --> E[共同担保目録に記載]
C --> E
D --> E
2-3-2. 試験に出る特別な目録一覧
目録の種類 | 用途 | 試験での重要度 |
---|---|---|
共同担保目録 | 複数不動産への担保権 | ★★★★★ |
信託目録 | 信託財産の記載 | ★★★☆☆ |
使用目録 | 土地の使用関係 | ★★☆☆☆ |
3. 登記申請の手続きを徹底解説
3-1. 申請の基本ルール「みんなで出すか、一人で出すか」
👩🏫 佐藤先生:「登記の申請には2つのパターンがあります。『共同申請』と『単独申請』です。」
🧑💼 田中さん:「どう違うんですか?」
3-1-1. 申請方法の分類フローチャート
flowchart TD
A[登記申請をしたい] --> B{権利が動く?}
B -->|Yes| C[共同申請]
B -->|No| D[単独申請]
C --> E[売買・贈与・抵当権設定など]
D --> F[相続・表示登記・保存登記など]
3-1-2. 申請方法の詳細比較表
申請方法 | 対象となる登記 | 申請人 | 理由 |
---|---|---|---|
共同申請 | 所有権移転(売買)<br/>抵当権設定<br/>地上権設定 | 権利者+義務者<br/>(買主+売主など) | 権利の得喪変更があるため |
単独申請 | 相続による所有権移転<br/>所有権保存登記<br/>表示登記 | 権利者のみ | 権利の得喪変更がないため |
👩🏫 佐藤先生:「覚え方のコツは『権利が動く時は関係者みんなで、動かない時は一人で』です!」
3-2. 申請書に書くべき5つのポイント
🧑💼 田中さん:「申請書にはどんなことを書くんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「申請書の記載事項は5つあります。順番に見ていきましょう!」
3-2-1. 申請書の記載事項チェックリスト
順番 | 記載事項 | 内容 | 記載例 |
---|---|---|---|
① | 登記の目的 | 何の登記をするか | 所有権移転 |
② | 登記原因 | なぜ登記するか | 令和6年3月15日売買 |
③ | 当事者 | 誰が申請するか | 権利者 田中太郎<br/>義務者 佐藤花子 |
④ | 不動産の表示 | どの不動産か | 所在:東京都新宿区…(登記簿の通り) |
⑤ | 課税価格 | 税金の計算基礎 | 金2,500万円 |
3-2-2. 申請書のサンプル
登記申請書
登記の目的 所有権移転
登記原因 令和6年3月15日売買
権利者 東京都新宿区○○町1-2-3
田中太郎
義務者 東京都渋谷区△△丁目4-5-6
佐藤花子
添付書類 登記原因証明情報 登記識別情報
印鑑登録証明書 住民票
課税価格 金25,000,000円
登録免許税 金500,000円
令和6年3月20日申請 東京法務局新宿出張所
上記申請人 田中太郎 ㊞
佐藤花子 ㊞
3-3. 必要書類「添付書面」の完全リスト
👩🏫 佐藤先生:「申請書だけでは登記できません。証明書類も必要なんです。」
3-3-1. 添付書面の種類と役割
graph TD
A[登記申請] --> B[申請書]
A --> C[添付書面]
C --> D[登記原因証明情報]
C --> E[登記識別情報]
C --> F[印鑑登録証明書]
C --> G[住民票]
C --> H[委任状]
D --> I[売買契約書など]
E --> J[権利証・パスワード]
F --> K[実印の証明]
G --> L[住所の証明]
H --> M[代理人への委任]
3-3-2. 添付書面詳細一覧表
書類名 | 目的 | 有効期限 | 取得場所 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
登記原因証明情報 | 登記原因の証明 | なし | 契約当事者 | 売買契約書・贈与契約書等 |
登記識別情報 | 権利者証明 | なし | 前回登記時に取得 | 紛失時は本人確認情報で代替可 |
印鑑登録証明書 | 本人確認 | 3か月以内 | 市区町村役場 | 義務者(売主等)が必要 |
住民票の写し | 住所証明 | なし | 市区町村役場 | 権利者(買主等)が必要 |
💡 重要ポイント:印鑑登録証明書の有効期限は「作成から3か月以内」です!
3-4. 登記識別情報 vs 登記済証(権利証)
🧑💼 田中さん:「登記識別情報と権利証って違うんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「はい!時代とともに変わったんです。詳しく説明しますね。」
3-4-1. 新旧制度の比較表
項目 | 登記識別情報(現在) | 登記済証(従来) |
---|---|---|
開始時期 | 平成17年以降 | 〜平成16年 |
形式 | 12桁の英数字 | 書面に朱印 |
見た目 | 目隠しシール付き | 登記済の朱印 |
管理 | パスワード管理 | 書面の物理管理 |
紛失対応 | 失効申請可能 | 本人確認情報で対応 |
偽造リスク | 低い | 高い |
3-4-2. 登記識別情報の構造図
┌─────────────────────────┐
│ 登記識別情報通知 │
├─────────────────────────┤
│ 不動産番号: 1234567890123 │
│ 受付年月日: R6.3.20 │
│ 受付番号: 第1234号 │
├─────────────────────────┤
│ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ │
│ ┃ QR12M8XN9KLP ┃ │ ← 12桁の英数字
│ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │
└─────────────────────────┘
4. 登記の種類をパーフェクトに理解
4-1. 登記の大分類:表示登記 vs 権利登記
👩🏫 佐藤先生:「登記は大きく2つに分類されます。『表示登記』と『権利登記』です。」
4-1-1. 登記の分類ツリー
graph TD
A[不動産登記] --> B[表示登記]
A --> C[権利登記]
B --> D[土地表示登記]
B --> E[建物表示登記]
C --> F[所有権登記]
C --> G[用益物権登記]
C --> H[担保物権登記]
D --> I[分筆・合筆・地目変更]
E --> J[表題・変更・滅失]
F --> K[保存・移転・仮登記]
G --> L[地上権・賃借権]
H --> M[抵当権・質権]
4-1-2. 表示登記 vs 権利登記 完全比較
比較項目 | 表示登記 | 権利登記 |
---|---|---|
目的 | 物理的状況の公示 | 権利関係の公示 |
申請義務 | ✅ あり(1か月以内) | ❌ なし |
罰則 | 10万円以下の過料 | なし |
申請方法 | 単独申請 | 共同申請が原則 |
担当資格者 | 土地家屋調査士 | 司法書士 |
登録免許税 | なし(測量費用等のみ) | あり |
⚠️ 試験頻出:「表示登記には申請義務がある」「権利登記に申請義務はない」
4-2. 表示登記の詳細解説
4-2-1. 土地表示登記の種類
🧑💼 田中さん:「土地の表示登記にはどんな種類があるんですか?」
登記の種類 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
土地表題登記 | 新たに生じた土地の登記 | 海面埋立、河川変更 |
分筆登記 | 1つの土地を複数に分割 | 土地の一部売買 |
合筆登記 | 複数の土地を1つに統合 | 隣接土地の統合 |
地目変更登記 | 土地の用途変更 | 田→宅地、雑種地→駐車場 |
地積更正登記 | 面積の訂正 | 実測と登記面積の相違 |
4-2-2. 建物表示登記の種類
登記の種類 | 内容 | 申請期限 |
---|---|---|
建物表題登記 | 新築建物の最初の登記 | 新築から1か月以内 |
建物表題変更登記 | 増築・改築・用途変更 | 変更から1か月以内 |
建物滅失登記 | 建物の取り壊し | 取り壊しから1か月以内 |
💡 覚え方のコツ:建物の表示登記は全て「1か月以内」の申請義務があります!
4-3. 権利登記の詳細解説
4-3-1. 所有権登記の流れ図
graph TD
A[土地・建物の存在] --> B[表示登記]
B --> C[所有権保存登記]
C --> D[所有権移転登記]
D --> E[売買・贈与・相続等]
F[新築建物] --> G[建物表題登記]
G --> H[所有権保存登記]
H --> I[住宅ローン]
I --> J[抵当権設定登記]
4-3-2. 主要な権利登記一覧
登記の種類 | 登記原因 | 申請人 | 登録免許税率 |
---|---|---|---|
所有権保存 | 新築・相続等 | 所有者 | 0.4% |
所有権移転(売買) | 売買 | 売主・買主 | 2.0% |
所有権移転(相続) | 相続 | 相続人 | 0.4% |
抵当権設定 | 金銭消費貸借 | 債務者・債権者 | 0.4% |
5. 仮登記制度を完全攻略
5-1. 仮登記って何?本登記との違い
🧑💼 田中さん:「仮登記って『仮』がつくから効力が弱いんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「いい質問ですね!仮登記は『順位保全』という特別な効力があるんです。」
5-1-1. 仮登記の仕組み図
【仮登記の順位保全効】
令和6年3月1日:A→B 仮登記 (順位1番)
令和6年4月1日:A→C 本登記 (順位2番)
令和6年5月1日:B 本登記 (順位1番に繰り上がり!)
結果:後から本登記したBが1番の順位を獲得
5-1-2. 仮登記 vs 本登記 比較表
項目 | 仮登記 | 本登記 |
---|---|---|
対抗力 | ❌ なし | ✅ あり |
順位保全効 | ✅ あり | ✅ あり |
申請要件 | 緩やか | 厳格 |
登記識別情報 | 通知されない | 通知される |
登記原因証明情報 | 予約完結権等 | 契約書等 |
⚠️ 試験重要ポイント:「仮登記に対抗力はない」が「順位保全効はある」
5-2. 仮登記の種類と活用場面
5-2-1. 仮登記の種類
仮登記の種類 | 内容 | 活用場面 |
---|---|---|
1号仮登記 | 請求権保全の仮登記 | 売買予約、買戻特約 |
2号仮登記 | 順位保全の仮登記 | 書類不備時の順位確保 |
6. 登記官の権限と手続きの流れ
6-1. 登記官は何をチェックする?
👩🏫 佐藤先生:「登記官の審査には限界があるんです。何でもチェックしてくれるわけではありません。」
6-1-1. 登記官の審査権限図
graph TD
A[登記申請書] --> B{登記官の審査}
B --> C[形式的審査]
B --> D[実質的審査]
C --> E[申請書の記載事項]
C --> F[添付書面の有無]
C --> G[印鑑証明書の有効期限]
D --> H[登記原因の真実性]
D --> I[当事者の真意]
E --> J[✅ 審査する]
F --> J
G --> J
H --> K[❌ 原則審査しない]
I --> K
6-1-2. 審査内容の詳細比較
審査の種類 | 審査内容 | 審査の程度 | 具体例 |
---|---|---|---|
形式的審査 | 書面の記載・体裁 | 厳格 | ・申請書の記載漏れ<br/>・印鑑証明書の期限切れ<br/>・登記識別情報の相違 |
実質的審査 | 登記原因の真実性 | 限定的 | ・売買契約が実際に成立したか<br/>・売買代金の授受があったか |
6-2. 申請後の手続きフロー
6-2-1. 登記手続きの流れチャート
flowchart TD
A[登記申請] --> B{形式審査}
B -->|OK| C[受理]
B -->|NG| D[補正指令]
B -->|重大な不備| E[却下]
D --> F{補正可能?}
F -->|Yes| G[補正]
F -->|No| H[取下げ]
G --> I[再審査]
I --> C
C --> J[登記完了]
J --> K[登記識別情報通知]
6-2-2. 補正・却下・取下げの違い
手続き | 主体 | 理由 | 効果 | 対応方法 |
---|---|---|---|---|
補正 | 登記官 | 軽微な不備 | 修正により有効 | 期限内に修正提出 |
却下 | 登記官 | 重大な不備 | 申請が無効 | 新たに申請し直し |
取下げ | 申請人 | 自己都合 | 申請の撤回 | 登記完了前なら可能 |
7. 特殊な登記制度
7-1. 区分所有建物(マンション)の登記
🧑💼 田中さん:「マンションの登記は普通の建物と違うんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「はい!マンションのような区分所有建物には特別な登記制度があります。」
7-1-1. 区分所有建物の登記構造
graph TD
A[区分所有建物] --> B[一棟の建物]
A --> C[各区分建物]
A --> D[敷地]
B --> E[一棟の建物の表題登記]
C --> F[区分建物の表題登記]
C --> G[専有部分の権利登記]
D --> H[敷地権の登記]
7-1-2. 区分所有登記の種類
登記の種類 | 内容 | 登記簿 |
---|---|---|
一棟の建物の表題登記 | 建物全体の基本情報 | 一棟の建物の登記簿 |
区分建物の表題登記 | 各部屋の基本情報 | 各区分建物の登記簿 |
敷地権の登記 | 土地への権利 | 土地の登記簿 |
7-2. その他の特殊登記
7-2-1. 特殊登記一覧表
登記の種類 | 根拠法 | 特徴 |
---|---|---|
工場財団 | 工場抵当法 | 工場の機械等を一体として担保 |
企業担保権 | 企業担保法 | 企業の総財産を担保 |
立木登記 | 立木に関する法律 | 立木を土地と分離して登記 |
8. 実戦的な試験対策
8-1. 出題パターン完全分析
👩🏫 佐藤先生:「過去5年間の出題傾向を分析しました。どんなパターンで出題されるか見てみましょう!」
8-1-1. 出題頻度ランキング
順位 | 出題テーマ | 出題回数 | 重要度 |
---|---|---|---|
1位 | 登記の効力(対抗要件主義) | 8回 | ★★★★★ |
2位 | 共同申請・単独申請 | 6回 | ★★★★☆ |
3位 | 仮登記の効力 | 4回 | ★★★☆☆ |
4位 | 登記識別情報 | 3回 | ★★★☆☆ |
5位 | 表示登記の申請義務 | 2回 | ★★☆☆☆ |
8-1-2. 問題パターン分析
pie title 宅建試験 不動産登記法 出題パターン
"正誤判定問題" : 60
"組み合わせ問題" : 25
"数値問題" : 10
"事例問題" : 5
8-2. 間違えやすいポイント TOP10
🧑💼 田中さん:「どんなところで間違えやすいんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「受験生がよく間違えるポイントをランキングで紹介しますね!」
8-2-1. 間違えやすいポイント一覧
順位 | 間違えやすいポイント | 正しい知識 | 引っかけパターン |
---|---|---|---|
1位 | 公信の原則 | 日本は採用していない | 「登記には公信力がある」❌ |
2位 | 仮登記の対抗力 | 対抗力はない | 「仮登記にも対抗力がある」❌ |
3位 | 表示登記の申請義務 | 1か月以内の申請義務あり | 「申請義務はない」❌ |
4位 | 共同申請の例外 | 相続は単独申請 | 「相続も共同申請」❌ |
5位 | 印鑑証明書の有効期限 | 3か月以内 | 「6か月以内」❌ |
8-3. 語呂合わせ記憶術
8-3-1. 重要事項の語呂合わせ
覚える内容 | 語呂合わせ |
---|---|
表示登記の申請義務(1か月) | 「表示は一発(1)月(月)で申請だ!」 |
印鑑証明書の有効期限(3か月) | 「印鑑は3か月、3回確認」 |
登記識別情報(12桁) | 「登記の秘密は12(いち・に)ケタ」 |
9. 過去問演習と解法テクニック
9-1. 典型的な過去問パターン
👩🏫 佐藤先生:「実際の過去問を使って、解法テクニックを身につけましょう!」
9-1-1. 問題例と解法
【例題1】不動産登記の効力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
🧑💼 田中さん:「これはどう解けばいいんですか?」
👩🏫 佐藤先生:「まず『公信の原則』や『対抗要件』がキーワードの選択肢を見つけることです!」
9-1-2. 解法テクニック
ステップ | 内容 | 具体的方法 |
---|---|---|
Step1 | キーワード発見 | 「公信」「対抗要件」「第三者」を探す |
Step2 | 基本原則確認 | 日本は対抗要件主義・公信の原則なし |
Step3 | 例外の確認 | 相続の単独申請などの例外をチェック |
Step4 | 消去法適用 | 明らかに間違いの選択肢を除外 |
9-2. 直前対策チェックリスト
9-2-1. 試験1週間前にすべきこと
gantt
title 直前対策スケジュール
dateFormat X
axisFormat %d日前
section 基本知識
対抗要件主義の確認 :done, basic1, 0, 1
登記簿構造の復習 :done, basic2, 1, 2
申請手続きの整理 :done, basic3, 2, 3
section 過去問演習
過去5年分を3周 :active, past1, 3, 6
間違いノート作成 :past2, 5, 6
section 最終確認
語呂合わせ暗記 :final1, 6, 7
当日の準備 :final2, 7, 7
9-2-2. 試験当日の心構え
👩🏫 佐藤先生:「試験当日のコツを教えますね!」
当日のポイント:
- ⏰ 不動産登記法は1〜2問なので、時間をかけすぎない
- 🔍 「公信の原則」を見つけたら即座に❌判定
- 📝 迷ったら基本原則(対抗要件主義)に戻る
- ✅ 見直し時間を必ず確保する
10. 合格への最終アドバイス
10-1. 学習の優先順位
🧑💼 田中さん:「限られた時間で効率よく学習するにはどうしたらいいですか?」
👩🏫 佐藤先生:「不動産登記法は範囲が広いので、優先順位をつけて学習することが大切です。」
10-1-1. 学習優先順位マトリックス
quadrantChart
title 学習優先順位マトリックス
x-axis 学習難易度(易) --> (難)
y-axis 出題頻度(低) --> (高)
quadrant-1 要注意分野
quadrant-2 最重要分野
quadrant-3 後回し分野
quadrant-4 要確認分野
対抗要件主義: [0.2, 0.9]
共同申請の原則: [0.3, 0.8]
仮登記の効力: [0.6, 0.6]
区分所有建物: [0.8, 0.3]
工場財団: [0.9, 0.1]
10-1-2. 学習時間配分
分野 | 学習時間割合 | 理由 |
---|---|---|
基本原則(対抗要件主義) | 30% | 最頻出・基礎となる |
申請手続き | 25% | 実務的で応用範囲広い |
登記簿の構造 | 20% | 理解すれば得点しやすい |
仮登記・特殊登記 | 15% | 応用問題で差がつく |
その他 | 10% | 余力があれば |
10-2. 最後のメッセージ
👩🏫 佐藤先生:「田中さん、不動産登記法の勉強はいかがでしたか?」
🧑💼 田中さん:「最初は難しそうに思えましたが、体系的に学ぶとよく分かりました!特に対抗要件主義の考え方が理解できてよかったです。」
👩🏫 佐藤先生:「それは良かったです!不動産登記法は、一度理解すれば確実に得点できる科目です。ポイントをまとめますね。」
10-2-1. 合格のための3つの約束
graph TD
A[宅建試験合格] --> B[約束1: 基本を大切に]
A --> C[約束2: 過去問中心]
A --> D[約束3: 諦めずに継続]
B --> E[対抗要件主義を完全理解]
C --> F[過去5年分を3周以上]
D --> G[毎日少しずつでも学習継続]
10-2-2. 最終チェックシート
試験前日に確認すべき項目:
- □ 日本は公信の原則を採用していない
- □ 対抗要件主義の意味を説明できる
- □ 登記簿は表題部・甲区・乙区の3層構造
- □ 共同申請が原則、単独申請の例外を覚えている
- □ 仮登記に対抗力はないが順位保全効はある
- □ 表示登記には1か月以内の申請義務がある
- □ 印鑑証明書の有効期限は3か月以内
- □ 登記識別情報は12桁の英数字
👩🏫 佐藤先生:「この記事で学んだことを基に、過去問演習を重ねれば必ず合格できます。宅建士への道、応援しています!」
🧑💼 田中さん:「ありがとうございました!頑張って合格します!」
📚 参考資料・関連法令
- 不動産登記法
- 不動産登記規則
- 不動産登記事務取扱手続準則
🎯 この記事のまとめ
不動産登記法は宅建試験で1〜2問出題される重要分野です。対抗要件主義という日本の基本制度を理解し、登記簿の3層構造と申請手続きを覚えることで確実に得点できます。
特に「公信の原則は日本では採用されていない」「仮登記に対抗力はない」「表示登記には申請義務がある」といったポイントは毎年のように出題される超重要事項です。
継続的な学習で、宅建士合格を目指しましょう!
🌟 この記事が皆様の合格の一助となれば幸いです。頑張ってください!
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