宅建士(宅地建物取引士)には法律で定められた「独占業務」があります。一方で宅建士資格がなくてもできる業務も多くあります。この記事では、宅建士の独占業務とそれ以外の業務を明確に区別して解説します。
宅建士の独占業務とは
独占業務とは、その資格を持つ者のみが行えると法律で定められた業務です。宅建士の独占業務は、宅建業法第35条・第37条に定められた以下の2種類です。
1. 重要事項の説明(第35条)
不動産の売買・賃貸の契約前に、取引の相手方に対して重要事項を説明する業務です。宅建士証を提示した上で、宅建士自らが口頭で説明しなければなりません。重要事項説明書(35条書面)への記名・押印も宅建士が行います。
近年のIT重要事項説明(IT重説)の普及により、テレビ電話等を使った非対面での重要事項説明も認められるようになりました。
2. 37条書面への記名(第37条)
不動産取引成立後に作成する契約書(37条書面)に、宅建士が記名・押印することが義務づけられています。37条書面は売主・買主の双方に交付されます。
宅建士でなくてもできる業務
以下の業務は宅建士の資格がなくてもできます。
- 物件の案内・内覧の対応
- 売主・買主のマッチング・商談
- 物件情報の調査・収集
- 契約後の引き渡し手続きのサポート
- 管理業務(宅建業法上の賃貸管理)
専任の宅建士の義務
宅建業者は事務所ごとに「専任の宅建士」を置かなければなりません。専任の宅建士は常勤で当該事務所の職務に従事する宅建士であり、その設置割合は従業者5人に1人以上です。
専任の宅建士の要件
- 常勤であること
- 専任であること(他の事務所の専任宅建士を兼務不可)
- 専従であること(業務に支障のある他の職業に就いていないこと)
宅建士の独占業務に関する注意点
宅建士の独占業務は、「重要事項の説明」と「35条書面・37条書面への記名」の2種類に限られます。物件売買自体は宅建士資格のない者でも担当できます(ただし宅建業の免許を持つ業者のもとで行う必要があります)。
宅建試験での出題ポイント
- 重要事項説明は宅建士証を提示して行う(口頭説明)
- 35条書面・37条書面への記名は宅建士の独占業務
- 専任の宅建士:5人に1人以上・常勤専任専従
- IT重説(非対面での重要事項説明)も認められる
まとめ
宅建士の独占業務は「重要事項説明」と「35条書面・37条書面への記名」の2種類です。不動産取引のすべてが宅建士でないとできないわけではありませんが、この2つの業務は必ず宅建士が担当しなければなりません。専任の宅建士の設置義務(5人に1人)と要件(常勤・専任・専従)も試験頻出のポイントです。


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