不動産を売却して別の不動産に買い換えた場合、一定の要件を満たせば譲渡税の課税を将来に繰り延べる「買換え特例」が利用できます。居住用財産と事業用資産では適用要件が異なります。宅建試験でも出題されるため、各特例の概要を把握しておきましょう。
居住用財産の買換え特例
現在住んでいる自宅(居住用財産)を売って、新しい自宅に買い換えた場合に適用できる特例です。
主な適用要件
- 売却した居住用財産の所有期間が10年超、かつ居住期間10年以上
- 売却価格が1億円以下
- 新たに取得する住宅の床面積が50㎡以上、土地面積が500㎡以下
- 買換え資産を取得した年の前年・当年・翌年に居住を開始すること
課税の仕組み(繰り延べ)
買換え特例は課税の「繰り延べ」です。課税が免除されるわけではなく、将来その買換え資産を売却した際に課税されます。買換え価格が売却価格以上の場合は課税繰り延べ、買換え価格が売却価格を下回る場合は差額部分に課税されます。
3000万円特別控除との選択適用
居住用財産の3,000万円特別控除と買換え特例は選択適用であり、同一の売却について両方を同時に使うことはできません。一般的には3,000万円特別控除の方が有利なケースが多いですが、売却価格が高い場合や長期保有で含み益が大きい場合は買換え特例が有利なこともあります。
事業用資産の買換え特例
事業に使用していた土地・建物を売却して、別の事業用不動産に買い換えた場合にも買換え特例があります。買換えた資産の取得価額に一定割合を掛けた額を売却した資産の取得費として引き継ぎ、課税を繰り延べます。
事業用資産の買換え特例は主に以下のケースに対応しています:
- 市街化区域内の土地等から特定地域(地方など)への買換え
- 長期所有の土地・建物等の買換え(所有期間10年超)
注意点:3000万円特別控除との関係
居住用財産を売却した年に、居住用財産の買換え特例と3,000万円特別控除は同一物件に対して重複適用できません。また、マイホームを買い換えた場合の損失の損益通算・繰越控除の特例とも調整が必要です。どの特例が最も有利かは個別の状況によって異なるため、税理士への相談が推奨されます。
宅建試験のポイントまとめ
- 居住用買換え特例の所有・居住期間要件:10年超
- 売却価格要件:1億円以下
- 新居の床面積:50㎡以上・土地:500㎡以下
- 課税は繰り延べ(免除ではない)
- 3,000万円特別控除とは選択適用(併用不可)
買換え特例の「課税の繰り延べ」という性質と、3,000万円特別控除との選択適用の関係は宅建試験でよく問われます。特例の適用要件の数字(10年・1億円・50㎡・500㎡)をしっかり覚えておきましょう。


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