不動産を次の世代に引き継ぐ方法として「生前贈与」と「相続」の2つがあります。どちらが税務的に有利かは、不動産の評価額・相続財産の総額・相続人の状況によって異なります。宅建試験の学習に加え、顧客への相続対策アドバイスにも役立つ知識です。
生前贈与と相続の基本的な違い
| 比較項目 | 生前贈与 | 相続 |
|---|---|---|
| 課税時期 | 贈与した時 | 相続発生時(死亡時) |
| 課税される人 | もらった人(受贈者) | もらった人(相続人) |
| 評価時点 | 贈与時の価額 | 相続発生時の価額 |
| 基礎控除 | 毎年110万円 | 3,000万円+600万円×法定相続人数 |
| 不動産取得税 | かかる | かからない(相続は非課税) |
| 登録免許税 | 2.0%(贈与) | 0.4%(相続) |
生前贈与が有利なケース
- 相続財産が多く相続税の税率が高い場合(高い税率が適用される前に移転する)
- 贈与する不動産が将来値上がりすることが見込まれる場合(相続時精算課税を活用)
- 暦年贈与(年間110万円×複数年)で計画的に財産を移転する場合
相続が有利なケース
- 相続財産が基礎控除額以下の場合(相続税がかからない)
- 登録免許税・不動産取得税が贈与より相続の方が低い(0.4% vs 2.0%)
- 小規模宅地等の特例(80%減額)が使える場合(生前贈与した土地には使えない)
暦年贈与を活用した計画的な生前対策
毎年110万円の基礎控除を活用して少しずつ財産を移転する暦年贈与は、長期的に見ると大きな節税効果があります。ただし、2024年からは相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されることになりました(改正前は3年以内)。早めの計画的贈与が重要です。
専門家への相談の必要性
生前贈与・相続の戦略は個々の状況によって最適解が異なります。宅建士は不動産取引のプロとして基本的な知識は持つべきですが、具体的な節税アドバイスは税理士・弁護士等の専門家に相談するよう顧客に案内することが重要です。
宅建試験のポイントまとめ
- 相続は不動産取得税非課税・登録免許税0.4%
- 贈与は不動産取得税課税・登録免許税2.0%
- 小規模宅地等の特例は相続のみ適用(生前贈与は対象外)
- 2024年〜:相続前7年以内の贈与は相続財産に加算
相続と贈与のコスト比較は宅建試験の頻出テーマです。登録免許税の税率差(0.4%vs2.0%)と相続では不動産取得税が非課税になる点を確実に覚えましょう。


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