不動産を取得したり、住宅ローンを借りたりする際に必ずかかるのが登録免許税です。不動産の登記手続きに課税される国税であり、その税率は登記の種類によって異なります。宅建試験では税率と軽減措置の要件が問われます。本記事で体系的に整理しましょう。
登録免許税とは
登録免許税は、不動産の登記・船舶の登記・会社の設立登記など各種登記・登録・免許・許可などに際して課される国税です。登記申請の際に収入印紙や現金で納付します。
不動産取引に関する主な登記には、所有権移転登記・所有権保存登記・抵当権設定登記などがあります。
主な登記の税率一覧
| 登記の種類 | 本則税率 | 軽減税率(住宅用) |
|---|---|---|
| 所有権保存登記(新築建物) | 0.4% | 0.15% |
| 所有権移転登記(売買・土地) | 2.0% | 1.5%(土地は一律) |
| 所有権移転登記(売買・建物) | 2.0% | 0.3% |
| 所有権移転登記(相続・法人合併) | 0.4% | 軽減なし |
| 所有権移転登記(贈与・交換等) | 2.0% | 軽減なし |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% |
課税標準
登録免許税の課税標準は登記の種類によって異なります。
- 所有権移転・保存登記:固定資産税評価額(不動産の価格)
- 抵当権設定登記:債権額(住宅ローンの借入額)
所有権移転登記の課税標準は売買代金ではなく固定資産税評価額であることに注意してください。固定資産税評価額は一般に時価より低く設定されています。
住宅用家屋の軽減税率の適用要件
所有権保存・移転・抵当権設定登記の税率軽減を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 個人が自己の住居の用に供する家屋であること
- 床面積が50㎡以上であること
- 新築または取得後1年以内の登記であること
- (中古住宅の場合)建築後一定年数以内(木造25年・耐火建築物25年以内)またはその他耐震基準適合証明書等があること
具体的な計算例
例:固定資産税評価額2,000万円の新築住宅を購入した場合の登録免許税
- 所有権保存登記(本則):2,000万円×0.4%=8万円
- 所有権保存登記(軽減):2,000万円×0.15%=3万円
例:借入額3,000万円の住宅ローン設定の場合
- 抵当権設定登記(本則):3,000万円×0.4%=12万円
- 抵当権設定登記(軽減):3,000万円×0.1%=3万円
登録免許税の申告と納付
登録免許税は登記申請と同時に納付します。納付方法は金融機関での現金納付(税額が3万円超の場合)または収入印紙(3万円以下の場合)です。実務では司法書士が代行して納付するのが一般的です。登録免許税は申告納税方式ではなく、申請者が自分で計算して納付する方式をとります。
宅建試験のポイントまとめ
- 所有権移転登記(売買)の本則税率は2.0%
- 相続による所有権移転登記の税率は0.4%(軽減なし)
- 抵当権設定登記の本則税率は0.4%、軽減は0.1%
- 住宅用軽減の床面積要件は50㎡以上
- 課税標準は固定資産税評価額(抵当権は債権額)
登録免許税は税率と課税標準の組み合わせで問われることが多いです。相続と売買では税率が大きく異なる点、抵当権設定登記の課税標準が債権額である点をしっかり押さえておきましょう。


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