宅地建物取引士には、専門家として様々な義務が課されています。これらの義務に違反した場合、指示・事務禁止・登録消除などの処分を受けることがあります。試験でも重要なこれらの義務について詳しく解説します。
宅建士の主な義務
1. 信用失墜行為の禁止
宅建士は、宅建士の信用や品位を傷つけるような行為をしてはなりません(宅建業法第15条の2)。この義務は宅建業に従事していない場合でも、宅建士である限り適用されます。
2. 知識・能力の維持向上義務
宅建士は、宅建業に関する事務を適正に行うため、必要な知識・能力の維持向上に努めなければなりません(努力義務)。法定講習の受講はこの義務の一環でもあります。
3. 秘密保持義務
宅建士は正当な理由がなければ、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはなりません(宅建業法第75条)。この義務は宅建士でなくなった後も継続します。
4. 重要事項説明義務
宅建士は宅建業者の従業員として、取引の相手方に対して重要事項説明書(35条書面)の説明を行う義務があります。説明は必ず宅建士が行わなければならず、宅建士証を提示した上で実施します。
5. 宅建士証携帯義務
宅建士は業務中は常に宅建士証を携帯し、取引の関係者から請求があれば提示しなければなりません。提示を怠った場合は10万円以下の過料に処されます。
義務違反に対する処分
| 処分の種類 | 概要 | 宅建士証の扱い |
|---|---|---|
| 指示処分 | 必要な措置をとるよう指示 | 返納不要 |
| 事務禁止処分 | 1年以内の期間、宅建士業務禁止 | 10日以内に返納 |
| 登録消除処分 | 登録の抹消 | 速やかに返納 |
処分権者
宅建士への処分は、登録をした都道府県知事が行います。なお、他の都道府県で業務中に違反した場合は、その都道府県知事が調査し、登録知事に通知して処分を求めます。
宅建士の義務は「宅建士でなくなった後も継続」する場合がある
秘密保持義務は宅建士の資格を失った後も継続します。これは重要な出題ポイントです。「宅建士でなくなれば秘密保持義務も消える」というのは誤りです。
宅建試験での出題ポイント
- 信用失墜行為の禁止は宅建業従事者以外にも適用
- 秘密保持義務は宅建士でなくなった後も継続
- 事務禁止処分→10日以内に宅建士証を返納
- 重要事項説明時は宅建士証を提示
- 処分権者は登録をした都道府県知事
まとめ
宅建士の義務は、宅建士として活動する期間中だけでなく、退職後や資格喪失後も続くものがあります。特に秘密保持義務の継続性は試験頻出のポイントです。また各処分の種類と宅建士証の扱い(返納義務の有無と期限)も確実に覚えておきましょう。


コメント