不動産広告には、消費者を誤解させないようにするための様々なルールがあります。景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)による規制と、宅建業法による広告規制は、不動産取引の公正性を保つための重要な制度です。宅建試験でも頻出のこの分野を詳しく解説します。
景品表示法の概要
景品表示法は、商品・サービスについての不当な表示や過大な景品類を規制することで、消費者が適切な選択ができるようにすることを目的とした法律です。消費者庁が所管しており、違反した場合は措置命令や課徴金の対象となります。
不当表示の種類
- 優良誤認表示:商品・サービスの品質、規格等が実際より優れていると誤認させる表示
- 有利誤認表示:価格その他の取引条件が実際より有利であると誤認させる表示
- その他誤認されるおそれがある表示:内閣府告示で指定されたもの
不動産広告における主な規制
おとり広告の禁止
おとり広告とは、実際には取引できない物件を広告に掲載して客を引き付ける行為です。景品表示法および不動産のおとり広告に関する表示(告示)で禁止されています。以下のようなケースがおとり広告に該当します。
- すでに成約済みの物件を広告に掲載し続ける行為
- 実際には取引する意思のない物件を掲載する行為
- 交渉中・検討中で取引できない物件を「空き」として掲載する行為
誇大広告の禁止(宅建業法)
宅建業法では、取引に関する重要事項について、著しく事実に相違する表示や実際より優良・有利と誤解させる表示(誇大広告)を禁止しています。対象となる事項は以下の通りです。
- 所在・規模・形質・利用制限等に関する事項
- 交通利便性(駅からの距離・所要時間等)
- 環境・利便施設(学校・医療機関・商業施設等)
- 代金・借賃・費用等の額・支払方法
不動産広告における表示ルール
徒歩所要時間の表示
最寄り駅等からの徒歩所要時間は、道路距離80mを1分として算出し、1分未満の端数は1分に切り上げます。坂道・踏切・信号待ち時間は考慮しない点に注意が必要です。
面積の表示
建物の面積はメートル法で表示し、1㎡未満の数値は切り捨てることが認められています。専有面積と建物全体の面積を混同しないよう表示方法に規定があります。
価格の表示
土地・建物の価格は1物件ごとに表示することが原則です。坪単価のみの表示や1㎡単価のみの表示は原則として認められません。
景品規制
宅建業者が提供できる景品(懸賞・おまけ等)についても景品表示法で制限があります。
- 懸賞景品の上限:取引価格の10倍または100万円のいずれか低い金額
- 総付景品(もれなくもらえる景品)の上限:取引価格の10%または10万円のいずれか低い金額
宅建試験での出題ポイント
- おとり広告の禁止(成約済み物件の継続掲載等)
- 誇大広告の禁止(宅建業法)
- 徒歩所要時間:80m=1分(端数切り上げ)
- 景品の上限(懸賞:取引価格×10倍または100万円の低い方)
まとめ
不動産広告は消費者保護の観点から厳しく規制されています。特に「おとり広告の禁止」「徒歩所要時間の算出方法(80m=1分)」は宅建試験の頻出ポイントです。景品表示法と宅建業法の両方から規制が設けられていることを理解した上で、各ルールを押さえましょう。


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