既存住宅(中古住宅)の取引において、2018年の宅建業法改正によりインスペクション(既存住宅状況調査)に関する制度が整備されました。宅建業者の説明義務と実際の調査の流れ・費用について解説します。
インスペクションとは
既存住宅状況調査(インスペクション)とは、既存住宅の構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分について、専門家(既存住宅状況調査技術者)が行う調査です。建物の劣化・不具合の状況を客観的に把握するものです。
2018年宅建業法改正の内容
2018年4月施行の宅建業法改正により、宅建業者は以下の対応が義務付けられました:
- 媒介契約締結時:依頼者にインスペクションのあっせんの可否を示す義務
- 重要事項説明時:インスペクションの実施有無・結果を説明する義務
- 売買契約締結時:建物の状況に関する書面(既存住宅評価書等)を交付する義務
ただし、インスペクション自体の実施は義務ではなく、あくまで「あっせんの可否を説明する」義務です。
インスペクションの調査内容
- 基礎・土台・柱・梁等の構造耐力上主要な部分の状況
- 外壁・屋根・開口部等の雨水浸入防止に関わる部分の状況
- 内装(天井・壁・床)のひび割れ・雨染み等の確認
- 設備(給排水・電気等)の動作確認(オプション対応が多い)
費用と所要時間
インスペクションの費用相場は3〜5万円程度、所要時間は2〜3時間程度です。費用は依頼者(売主または買主)が負担します。
既存住宅売買瑕疵保険との関係
インスペクションで一定の基準をクリアした既存住宅には、既存住宅売買瑕疵保険(第三者機関が提供)を付けることができます。保険付き中古住宅は瑕疵(欠陥)が発見された場合に修繕費用がカバーされるため、買主の安心感が高まります。
宅建試験のポイントまとめ
- 媒介契約時:あっせんの可否を示す義務(実施義務ではない)
- 重要事項説明時:実施有無・結果の説明義務
- 売買契約時:建物状況に関する書面の交付義務
- 調査技術者は既存住宅状況調査技術者が実施
インスペクションの宅建業法上の位置づけ(媒介契約・重要事項説明・売買契約の各段階での義務)は試験頻出です。「実施義務はなく、あっせんの可否を示す義務」という点を正確に覚えましょう。


コメント