土地を所有している場合、その活用方法によって税負担が大きく変わります。等価交換方式・定期借地権を活用した節税、相続税対策としての賃貸住宅建設など、土地活用と税金の関係を整理しておきましょう。宅建士として顧客にアドバイスできるレベルの知識が求められます。
更地と貸地・貸家建付地の評価差
更地(何も建っていない土地)の相続税評価額は路線価×面積で計算されますが、建物を建てたり賃貸に出したりすることで評価額が下がります。
- 更地:自用地評価額(100%)
- 貸宅地(底地):自用地評価額 × (1 − 借地権割合)
- 貸家建付地(賃貸アパート等の敷地):自用地評価額 × (1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
借家権割合は全国一律30%です。例えば借地権割合70%・賃貸割合100%の貸家建付地の場合、評価減は70%×30%×100%=21%となり、更地より21%評価が下がります。
賃貸住宅建設による相続税対策
更地にアパート・マンションを建築すると:
- 土地評価が下がる(貸家建付地評価)
- 建物評価が固定資産税評価額(時価の50〜70%程度)になる
- 建築資金のローンが相続財産から控除できる
これらの効果が組み合わさり、相続税の課税対象額を大幅に圧縮できます。ただし、空室が多いと賃貸割合が下がって評価減の効果が薄れるため注意が必要です。
等価交換方式
等価交換方式とは、地主が土地を提供し、デベロッパー(開発業者)が建設費を負担してマンションを建設し、土地・建物を等価で交換する手法です。
地主のメリット:
- 建設資金なしにマンションの一部を取得できる
- 一定要件を満たせば譲渡所得税の課税を繰り延べられる
- 土地の有効活用と相続税対策になる
定期借地権による土地活用
定期借地権(一般定期借地権:50年以上、事業用定期借地権:10年以上50年未満)を設定して土地を貸すことで、安定した地代収入を得ながら将来は土地が返還される活用方法です。
相続税対策の観点では、定期借地権設定後は貸宅地(底地)評価になり、評価額が下がります。ただし地代の収受は雑所得・不動産所得として所得税の対象になります。
宅建試験のポイントまとめ
- 借家権割合は全国一律30%
- 貸家建付地の評価減 = 借地権割合 × 借家権割合30% × 賃貸割合
- 等価交換は一定要件で課税繰り延べが可能
- 空室が多いと賃貸割合が低下して節税効果が減る
土地の有効活用と税務は実務直結のテーマです。貸家建付地の評価計算式(特に借家権割合30%)と賃貸割合の概念を理解しておきましょう。


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