宅建試験では区分所有法(マンション法)が毎年1問出題されます。管理組合の運営、規約の設定・変更、集会の決議要件(特に4分の3・5分の4という数字)が頻出です。本記事では区分所有法の基本から決議要件まで体系的に整理します。
権利関係全体の頻出テーマは権利関係TOP10でまとめています。問1の対策は問1で絶対失敗しない攻略法もご覧ください。
区分所有法の基本(専有部分・共用部分・敷地利用権)
専有部分
- 区分所有権の目的となる建物の部分(各住戸など)
- 独立して住居・店舗・事務所等の用途に供されるもの
- 区分所有者が単独で所有
共用部分
- 法定共用部分:廊下・階段・エレベーター等(当然に共用)
- 規約共用部分:本来専有部分となりうる管理員室等を規約で共用と定めたもの(登記が必要)
- 共用部分の持分:専有部分の床面積の割合で決まる(規約で別段の定め可)
- 共用部分の持分のみを分離して処分することは不可
敷地利用権
- 専有部分と敷地利用権は分離して処分できない(規約で別段の定めができる場合あり)
- 敷地利用権の種類:所有権・地上権・賃借権等
管理組合(区分所有者全員が構成員)
- 区分所有者は全員が当然に管理組合の構成員となる(脱退不可)
- 管理組合は法人格を持てる(管理組合法人)
- 管理組合法人の設立:区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決
- 役員:理事(管理組合を代表)と監事(業務・財産の監査)
管理者(選任・解任の決議要件)
- 管理者は区分所有者以外でもなれる(マンション管理会社等も可)
- 選任・解任:集会の普通決議(過半数)
- 管理者の権限:共用部分の保存行為、集会の決議の執行等
- 管理者がいない場合:区分所有者が各自で保存行為を行える
規約の設定・変更・廃止(4分の3以上の多数決)
- 規約の設定・変更・廃止:区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決(特別決議)
- 一部の区分所有者に特別の影響を及ぼす場合:その者の承諾が必要
- 規約の保管:管理者(管理者がない場合は規約または集会の決議で定める者)
- 規約の閲覧:利害関係人からの請求には正当な理由がない限り応じなければならない
集会の決議要件まとめ表
宅建試験で最もよく問われる決議要件を一覧にまとめます。数字を正確に覚えることが合格への近道です。
| 決議事項 | 決議要件 |
|---|---|
| 管理者の選任・解任 | 普通決議(過半数) |
| 共用部分の軽微な変更(形状・効用の著しい変更を伴わないもの) | 普通決議(過半数) |
| 規約の設定・変更・廃止 | 特別決議(3/4以上) |
| 共用部分の重大変更(形状・効用の著しい変更) | 特別決議(3/4以上)※規約で過半数に緩和可 |
| 管理組合法人の設立・解散 | 特別決議(3/4以上) |
| 大規模滅失の復旧 | 特別決議(3/4以上) |
| 建替え決議 | 5分の4以上 |
共用部分の変更
- 軽微な変更(形状・効用の著しい変更を伴わないもの):普通決議(過半数)
- 重大な変更(形状・効用の著しい変更を伴うもの):特別決議(3/4以上)
- ただし重大変更でも、規約で議決権の過半数に緩和することができる
よく出る過去問パターン3つ
パターン1:建替え決議の要件
Q:マンションの建替えは区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成で決議できるか?
A:できない。建替え決議には5分の4以上の賛成が必要です。4分の3(75%)より厳しい5分の4(80%)以上が要件となります。
パターン2:管理組合への加入
Q:区分所有者は管理組合への加入を拒否できるか?
A:できない。区分所有者は当然に管理組合の構成員となり、脱退することもできません。
パターン3:共用部分の変更
Q:廊下に照明を増設する(軽微な変更)場合、集会の特別決議が必要か?
A:不要。形状・効用の著しい変更を伴わない軽微な変更は普通決議(過半数)で足ります。
まとめ
- 区分所有者は全員が当然に管理組合の構成員(脱退不可)
- 管理者の選任・解任は普通決議(過半数)
- 規約の設定・変更・廃止は特別決議(3/4以上)
- 共用部分の重大変更は特別決議(3/4以上)(規約で過半数に緩和可)
- 建替え決議は5分の4以上
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